2009年09月29日

スクランブルエッグのにおいは流れる(東北沢 バル・エンリケ)

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今から8年くらい前。
社会人ほやほやの僕は少ない金を握りしめ、外食を重ねていた。
あるとき、東北沢にうまいスペイン料理屋があるという
噂を聞きつけ、近くを通りかかったときになんとか見つけて入ったこの店。

駅から近いものの、ひっそりとした住宅街にある。
決して一見さんがふらっと立ち寄るようなところではない。
席は9席、カウンターのみ。
強面のシェフとの距離が近い。

隣である有名な歌手が食事をしていたこともあり、
ずいぶんと大人なお店に入ったものだと思った記憶がある。
常連さんらしき人ばかりだし、若いカップルは僕らだけ。
お飲み物は?と聞かれて、「セブンアップ!」だから恥ずかしいものだ。
バルだって言っているのに。
(僕はお酒が体質的に飲めない。当時はなおさら。)

スペイン料理=パエリアだった僕にとって、
スペイン料理とはこんなにうまいのかと感動してしまった。
そして料理ももちろんだが、僕はシェフの姿勢にみせられてしまった。

決してまちに力があるといえない東北沢で、
満足できる料理を出すために少ない席数。
こびることのない、寡黙なシェフに
料理で勝負してるんだという料理人の気迫が満ちていた。
(少なくとも僕にはそう思えた)
儲けようと思えば、もっと違う方法があるだろう。
でもあえてそれを選ばない、職人の誇りのようなものが、
職人気質のない僕にビンビンきたのだ。

以来定期的に利用してきた。
あれからなくなってしまったメニューもあるが、
ほとんど変わっていないと思う。
毎回同じものを頼んでいる。

この度お店が中目黒に移転することになった。
ずっと昔から予定していたことなのだそうだ。
中目黒だってそう遠いわけではないが、正直寂しい。

8年というのは長いわけではないけれど、この8年自分にもいろいろあった。
デイリーユースでもあったが、節目節目にはここを利用したせいもあって、
他のお店より思い入れが強い。

思い返せば、自分のお金で食事をすることで、自分も大人になったなと実感したのもこの店だと思う。

なんだか自分で思っている以上に湿っぽい文章になってしまった。
僕はただシェフの新しい挑戦を心から応援している。

とか余計なことを言わず、また食べに行けばいいのだ。

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さんまの酢漬け

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僕の定番、塩だらとじゃがいものスクランブルエッグ

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アナゴのフライ

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牛スジの煮込み

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メカジキのパン粉焼き 絶品

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あさりご飯 うまし!
posted by DH at 19:05| Comment(2) | TrackBack(0) | 旨いもの | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
どれもおいしそうな料理ですね!
スペインバルの料理のメニューは下戸にも酒飲み
にも対応する懐の深さがある気がする。

いつまで東北沢にあるんじゃろか?
Posted by うみ at 2009年10月07日 22:19
10日くらいかな〜。

僕はフレンチよりもスペイン料理のほうが好み。
Posted by DH at 2009年10月08日 02:19
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